東京タワーサイドメモリー-rebirth1

角松敏生
REBIRTH 1~re-make best~



1. Do You Wanna Dance
2. Tokyo Tower
3. Girl in the Box ~22時までの君は…
4. RUSH HOUR
5. A Widow on the Shore
6. SUMMER EMOTIONS
7. Wave
8. No End Summer
9. After 5 Crash
10. あるがままに


古くからの角松ファンだったら、このプレイリストを見ただけでクラクラくる。角松敏生がデビューから30年の間に学び蓄積した力でこれら豪華ナンバーに新しい息吹を与えてくれるってんだから、期待しないわけにはいかない。既にアルバムをゲットした方々でツイッターやら何やらは大賑わい。何だかこちらまで嬉しくなってくる。

アルバムリリース日である明日のホワイト・デーは生憎、朝から晩までお仕事で、ご丁寧に夜は接待まであるという日。だから、今日どうしても聞きたかった。


80年代、“あの頃”の曲を角松さんが装いも新たに用意してれるんだからこっちもそれなりの思い入れを持って聞きたいよね。

“あの頃”角松さんの曲を一番聞いていた場所は、車の中か…。街でも、海でも、山でも、どこに行くのも車で出かけ、カーステレオからは角松さんの曲をたくさん流してた。だから、今日も車で出かけよう。CDを手に入れたらそのままカーコンポにセットして街に出よう。


角松さんお気に入りのジャケットを裏返すと、こちらにも美脚が。やっぱ膝下だけじゃ物足りないから、表より裏のがいいな(笑)で、ケースを割ると、おおっ、いいね~、インナージャケット。裏ジャケに勝るとも劣らないセクシーショット。うんうん、“あの頃”はこんな光景、あった?かな?今はないけど(笑)


車のエンジンかけて、スタートは西新宿の高層ビル群。東京の摩天楼の間を「Do You Wanna Dance」をかけながら抜けていく。いいグルーブ。この曲はいつ聞いても懐かしさを感じるけど、歌詞も懐かしくて青くて好きだわね。さすが“23才のハナタレ”作だ(笑)


次の「Tokyo Tower」。実はオリジナルを上回るエキセントリックMIXバージョンを期待してたんだけど、いつものミディアムファンクバージョンだった。でも、原曲の良さが生きるアレンジでもある。日本人でこんなカッコいいファンクやれる人は、角松さんの師匠格にあたる、お二人ぐらいかな…?


車は明治通りを南に下り、原宿へ。GAPがあった交差点には新しい東急プラザが出来あがっていた。また街の光景が変わっていく。


「Girl in the Box」。この曲も「Do You Wanna Dance」と同じくいつ聞いても懐かしい。オリジナルではヨギ・ホートンのドラムが光っていたけど、角松さん、今回ちゃんとそれ仕込んでるね。うれしい。


「RUSH HOUR」は、ファンの皆さんにえらく評判いいみたいだけど、それにはボクも納得。何かすっきりしてる。確かに2ndはアレンジがなかなか苦しかったから、今回は完全にリベンジ果たしましたって感じ。


表参道から青山通りを左折して東に。車内は“街から海へ”。


「A Widow on the shore」~「SUMMER EMOTIONS」~「Wave」これらの海ナンバー、今回のアルバムではダンサブルチューンの影に隠れてしまうかな、って思ってたけど、ところがところがこれがいいんだな~。これもまたすっきりしている。完成度が高いって言った方がいいかな。角松さん余裕の横綱相撲って感じ。特に最後の「Wave」はシンプル。だからこそ曲と歌に圧倒されます。そう、「砂浜」の角松バージョンを初めて聞いた時のような感じかな。素晴らしい。あ~、青山を走っているけど、湘南・三浦に行きたくなった!

この海ナンバーから「No End Summer」に繋がるところなんて、ほんとオリジナルアルバムか、ってほど自然。

そう、今回のアルバムは角松さんも言っているけど、曲順がまた絶妙なんだな。さすがプロフェッショナルの狙い通り。良い曲はやっぱり良い。


そして、“海からまた街へ”


車が西麻布にさしかかったところで、ハイライトの「After 5 Crash」。陽も暮れてきて“あの頃”の記憶が思い起こされる。先のことは考えず、何も恐いものはなく、ただ毎日楽しければいい。良い音楽と綺麗な女性がいればいい。なんて、享楽的に生きていたんだよね、今思うと。あれからウン十年、今また、この曲をこういう形で聞くことになろうとは…。昔、FMで流れたスタジオライブで聞いたこの曲のギターソロは最高だったけど、今回も角松節全開。やっぱりこの曲大好きだ。昔も今も。


ラストの「あるがままに」が流れはじめたところで、何だか楽園から急に現実に戻された感じが…。そうだよね、何も考えていなかった自分が、角松さんと同じように苦しむことになってしまった時に発表された曲だからか。でも、角松さんもボクもその時のことはもう乗り越えて、今は別の解釈でこの曲を歌い、そして聞かせてもらっているんじゃないかと思う。みんな数々の経験を経てきたからこそ、今の自分があるんだ。なんだか、最後にはそんな気持ちにさせられましたね。角松さんがライナーノートで書いている「若い頃の自分より、今の自分のほうが好きだ…と。いつもそう思っていたいのだ。」というのもこの年になってみると分かる気がします。


なんだか、このアルバムの聞き始めと、

ちょっと気分違ってきたなぁ。「あるがままに」を入れたのはそういうことなのか?など考えながら、都心から西へむけて帰路を急ぐ自分でした。


とにかく、最高の内容です。

“あの頃”のエキセントリックさは出てこないけど、“今”の安定感をもって素晴らしい作品を作り上げてくれた角松さん、これからもずっとついていきます!!